今回のセミナーは「流通の立場から見た“道産バイオ製品への期待”」と「健康食品の我が国における法制度の新たな展望」というテーマで2名の講師をお招きして具体的事例をもとに行われたほか、会場内には北海道バイオ工業会会員企業の各社のPRと会員相互の交流を図るべく、商品やパンフレットの展示用スペースが設けられ、休憩時間を利用して活発な情報交換が行われた。参加者は約70名、当日用意した席は全て埋まり、新たに席を用意されるなど盛況のうちに終了した。

講演1では、株式会社サッポロドラッグストアー 代表取締役 富山睦浩氏より、「流通の立場から見た“道産バイオ製品への期待”」というテーマで、ドラッグストアーチェーンの売り場に見る消費者の実態から業界全体の特徴に至るまでが述べられた。
健康食品は、ここ1・2年市場が伸び悩んでいるものの、シリーズサプリメントといった分かりやすい商品は伸びているということからも分かるように、ドラッグストアー業界の特徴として、消費者が自身で商品を見て購入するため、パッケージの分かりやすさは勿論のこと、リーフレットやポップといったツールで商品の特徴が分かりやすく説明されているもので、かつ安価な商品が消費者に受け入れられている。最近は美肌効果のある商品や関節痛に効くものが支持されており、特に、消費者に支持されている商品というのは、パッケージが凝っている商品や効果効能が明確に表示されている商品であったり、マスコミに取り上げられている商品であると述べられた。

講演2では、日本健康食品規格協会理事長 大濱 宏文氏より、「健康食品の我が国における法制度の新たな展望」というテーマで、日本の健康食品を取り巻く法的環境や欧米・中国・韓国・台湾といった主要な国のサプリメントの法体系を例に、日本における健康食品の法制化の必要性や展望が述べられた。

日本の健康食品にはそれ自体を管轄する固有の法律が無く、現状においては様々な種類の法律による色々な立場から取り扱いを受けている状況にあるため、現行法による制度が非常に複雑な状態にある。また、効能表示が一切できないため消費者のニーズが満たされていない。
欧米などの海外の主要な国では、錠剤、カプセル状等の食品はサプリメントと規定され、通常の食品とは異なる法律によって管理されている。従って、日本においても錠剤、カプセル状等の健康食品に対して独立した包括的な法制化によってその存在自体を明確にし、機能性に基づく有用性、安全性、品質等が的確に管理される体制を構築する必要性が、国際的整合性という視点から考えても早急に求められている。ただし法制化に対しては特定保健用食品との関連や整合性等の課題も多くあると述べられた。

セミナー最後には、衆議院議員石崎岳氏の秘書の仲島司氏より、健康食品法制化に向けての現状における石崎氏の活動内容と力強い激励メッセージが代読された。