昨年の11月末から実施した中小企業海外販路開拓支援事業でフランスのクラスター「アグリミップ」を訪問した際に、現地で九州地域バイオクラスター推進協議会の皆さんと合流し、交流をいたしました。その時の交流がご縁で、今回、九州大学大学院農学研究院環境農学部門サスティナブル資源科 学講座森林生物化学分野教授の小名俊博先生が日本薬学会ご参加のために来道されたのに合わせて、セミナーを開催いたしました。
 セミナーは3月30日(金)14:00から、北大ビジネス・スプリングの会議室にて開催されました。小名先生は抗がん・抗メタボ成分効果の迅 速・確実な評価技術として、長期の細胞培養を要せず、電気的な細胞への悪影響や、計講師役による誤判定の可能性の排除、薬剤の作用機序に影響されないなどの利点を有するセルベース評価技術を詳細に解説されました。本法は表面プラズモン共鳴法を用いたミトコンドリアの膜電位の分極状態を評価 する方法で、がん細胞のアポトーシスや脂肪肝の脂質代謝促進などを評価した例を紹介くださいました。
 そのほかフランスとの技術交流についても紹介いただき、北海道が参画することで北海道ブランドの構築も提案されるなど、食品機能性の基礎評価か ら、出口となるビジネスモデルに至るまで、多彩なアイディアをご披露くださいました。参加者からも活発な質疑が成され、有意義なセミナーとなりました。広域連携はフード特区においても課題となる活動の一つと思いますが、本セミナーが九州を始めた他地域との連携のきっかけになればと思いま す。